2023年10月のメッセージ

Hello from Mamiko Matsuda, Ph.D. in Houston Oct 2023

日本のみなさん、こんにちは。

日本では毎年、10月のひと月間を「乳がん月間」として、「公益財団法人 日本対がん協会」が予防活動を推進しています。

乳ガンの発症率は年々上昇していて、現在では9人に1人の女性が乳ガンになるといいます。死亡率も上昇中で、女性のガン死の中では大腸ガンに次いで2番目の多さになっています。

毎年この時期になると、40歳以上の女性に対して乳ガン検診を受けるよう、各自治体や医師たちがすすめていますが、それはマンモグラフィーによる乳ガン検診が「乳ガン予防の第一歩」とされているからです。

ところが、マンモグラフィー検診で発見されるガンとは、すでに8~10年以前に形成され、長い間、体の中で成長し続けてきたものなのです。ですから、マンモグラフィーは決して「早期発見」の検診とは言えないのです。

こうした検診に比べ、乳ガンにならないような食生活やライフスタイルを実践することのほうがずっと賢明な乳ガン対策であることを、この30年余りの多くの研究が明らかにしています。

乳ガンにならないような食生活やライフスタイルとは、未精製・未加工の植物性食品中心の食生活、そして十分な運動と睡眠を心がけるというもので、動物性食品や高度に加工された精製加工食品(砂糖、油、白米、白いパン、白い麺類、および白い小麦粉製品など)からは縁遠い食事です。

これについては、『女性のためのナチュラル・ハイジーン』(グスコー出版)に詳しく記していますので、ご一読をおすすめします。

特に動物性食品の摂取量の増加と乳ガンとの間には密接な関連性があることは、もはや反駁の余地もないほど多くの研究が明らかにしています。動物性タンパク質や脂肪の過剰摂取は、ガン細胞の発生と増殖を加速させていくのです。

現在の日本女性の動物性タンパク質の摂取量を1950年代後半と比べると、およそ2倍、脂肪の摂取量はおよそ4倍になっています。

1950年代後半、日本女性の乳ガン発症率は50人1人だったものが、2000年代後半になると14人に1人、そして今日では冒頭でも記したように9人に1人になっているのは、こうした食習慣の変化の結果なのです。

ですから、乳ガン予防の第一歩は、年に1度のガン検診ではなく、「未精製未加工のプラントベース(植物性食品中心)の食事」を実行することなのです。

それでも「そんな食事は受け入れられない」という方には、マンモグラフィー検診に関して次の二つのことを知っておいていただきたいと思います。

一つは、「ガン検診による早期発見・早期治療は、死亡率の低下に役立っていない」という事実です。つまり定期的にマンモグラフィー検診を受けていても、命を救うことにはなっていないのです。

過去20年間にわたって行なわれてきた調査結果が、乳ガンの死亡率を有意に減少させていないことを明らかにしています(注1)

(注1)「JAMA」2009 Oct 21;302(15) :1685-92

もう一つは、たとえマンモグラフィーで「乳ガン」が発見されても、その後の生検では、90~95%が陰性と判断され、50歳以下の女性では「偽陽性」とされることが非常に多い点です(注2)

(注2)「Lancet」1995;346(8966):29-32
   「International Journal of Health Services」2001;31(3):605-611
   「Journal of National Cancer Institute」2000;92:1490-1499

研究によれば、2000人の女性がガン検診を受けたとき、そのうち有益なのは、わずか1人(0.05%)にすぎず、200人(10%)は「偽陽性」の診断が下され、そのうち10人の健康な女性が不必要な治療(手術や抗ガン剤療法など)を受けることになるといいます(注3)

(注3)「Cochrane Database Systematic Review」2009 Oct 7;(4):DC001877

また、抗ガン剤治療による5年生存率は、オーストラリアでは2.3%、米国では2.1%でしかないことも研究が明らかにしています(注4)

(注4)「Clinical Oncology」 2004 Dec;16(8):549-60.

さらに抗ガン剤治療そのものがガンを引き起こし、寿命を延ばすどころか、寿命を縮めてしまうことも最近ではわかってきています(注5)

(注5)「Journal of Nutrition」2003Nov;133(11 Supple 1):3785S-3793S
「Cancers (Basel).」2021 Feb; 13(3): 427.
「ESMO Open」 2022 Feb; 7(1): 100384.

2,000人の女性の乳ガン検診で役立つのがたった1人という数字を考えてみると、マンモグラフィー検診はビジネスだといっても過言ではありません。ガン検診に限らず、ワクチン接種にも言えることですが、製薬業界・医学界・政府が一体となっている今日の社会システムそのものが間違っていると思えてなりません。

そもそも、ガンになるような、あるいはウイルス感染を許してしまうような食習慣やライフスタイルをしていない限り、ガンになることも、ウイルスに感染することも心配には及びません。それはこの30年余りの間に行なわれてきた数々の研究が裏付けているからです。

たとえガン細胞が形成されたとしても、免疫機能が万全であれば、ガン細胞の増殖を許してしまうようなことにはならず、見事な修復力が発揮され、ガン細胞は消えていきます。

同様に、新型コロナやインフルエンザなどのウイルスの侵入を許してしまったとしても、免疫システムの機能が万全であれば、症状がひどくなる前にウイルスは退治され、消えていきます。

体にとってふさわしい食習慣とライフスタイルを続けていれば、免疫システムが万全に働き、体にとって害となるものは(たとえそれが、ガンであれウイルスであれ)、速やかに処理されます。そのように、体は常にベストの状態が保てるようにつくられているのです。

 

体にとってふさわしい食習慣とライフスタイルとは、未精製・未加工のプラントベースの食事、そして十分な運動や睡眠、日光に当たること、ストレスをためないこと、新鮮な空気や純粋な水などの「健康の7大要素」です(『50代からの超健康革命』グスコー出版)

私たちがすべきことは、体が常にベストの状態を保つのに必要な条件を与えてあげること、ただそれだけです。そうすれば、ガンやウイルスを恐れることは全くありません。

「ナチュラル・ハイジーン」の医師たちが百数十年にわたって教えてきたことが真実であることを、最近の疫学研究や臨床研究の数々が裏付けているのです。

ガンやウイルスに限らず、心臓病、脳卒中、糖尿病、腎臓・肝臓疾患、アルツハイマー病などの深刻な病気はもとより、便秘、肌荒れ、花粉症、生理痛、更年期障害、腰痛ほか、ほとんどの病気は予防も改善も可能であることは、最新科学が明らかにしています。

(文責:松田麻美子)