2023年8月のメッセージ

Hello from Mamiko Matsuda, Ph.D. in Houston Aug 2023

日本のみなさん、こんにちは。

私ごとになりますが、8月7日は亡くなった私の母の誕生日であると同時に、祥月命日でもあります。22年前の8月7日、母は80歳のお誕生日を迎えた日の早朝、眠っている間に亡くなりました。生きていたら今年102歳になります。

当時(2001年)の日本女性の平均寿命は、84.9歳でしたから、母は女性の平均寿命を全うすることができずに亡くなってしまったわけです。ですが、私は「母の亡くなり方はすばらしかった」と思っています。

どこも悪いところはなく、亡くなる前日まで元気でした。

病気のために痛みや苦痛をかかえ、病院通いが日課になっていたり、また不自由な体になり、病院のベッドで人生の最後を過ごさねばならなくなったり、あるいは、介護を必要とする晩年を送らなければならなくなったり、家族に心配をかけたりということもなく、夜、ベッドに入り、眠りに就いている間に苦しむこともなく亡くなりました。

私もこんな「人生の終わり方」をしたいと思うのです。

ただし、60~70代の頃の母はあまり健康ではなく、関節リウマチのため、痛みで首が回らない、手や腕の動きが不自由で、着物の帯がうまく結べない、といったトラブルを抱えていました。

整形外科や整骨院、鍼灸院通いが日課になり、痛みの緩和に効くという触れ込みの高級なロイヤルゼリー、ビタミンB、ビタミンEなど、さまざまなサプリメントのために、かなりのお金を使っていました。

メタボ体質で血糖値が高かったため、医師からは穀物の摂取量を大幅に減らすという「低炭水化物(低糖質)ダイエット」も指導されていました。

中高年になるとこうした悩みはほとんどの人に当てはまるので、「自分も避けられない」と母もこうした状況を受け入れてこれから過ごしていくほかないと思っていました 。

そんな折、父が長年患ってきた高血圧のために足や関節のむくみがひどくなり、痛みで歩けなくなったのです。車いす生活が余儀なくされるのも時間の問題でした。母が60代後半の時でした。それが母の人生を変える転機となったのです。

母はそれまでの食習慣を180度変え、「ホールフードのプラントベース食」、つまり「未精製未加工の植物性食品中心の食事」を始めたのです。

長年の高血圧がもたらしている父の一連のトラブルは、食習慣を変えることできわめて短期間のうちに劇的に改善され、降圧剤が不要になるのはもちろんのこと、むくみや痛みから完全に解放されて、血圧を常にヘルシーなレベルに保てるようになることを、数十年にわたる数々の研究が裏付けていることを私が話してあげたからでした。

母としては「父が車いす生活になり、やがては介護のために自分への負担が大変になる」という事態は避けたいという思いから、食生活を変えることを決心したようでした。そのことが自分自身の関節リウマチや前糖尿病(糖尿病予備群)の改善につながるとは、その当時、思ってもいませんでした。

大正6年(1917)生まれの父は、「男子厨房に入らず」の典型的な日本男児でしたから、ご飯の作り方など知らず、母の作るものを食べるほかありませんでした。

食事のたびに文句をブツブツ言いながらも、たっぷりの果物と野菜、未精製未加工の全粒穀物、色とりどりの豆類や、クルミ、フラックスシード、ヒマワリやカボチャの種などといった種実類で構成された食事を受け入れるほかありませんでした。

すると、どうでしょう。40代の頃から降圧剤の服用を始め、50代になると降圧剤を使っていても180mmHg以上もあった血圧が、1週間ほどで正常値に下がり、薬がいらなくなったのです! 

そればかりか薬の副作用から完全に解放され、膝の関節や足のむくみが少しずつなくなっていきました。やがてむくみも痛みも消え、食生活を変えてから5か月もすると完全に歩けるようになったのです。

これまで痛みのために仕事を辞め、家に引きこもり、座りがちの生活を余儀なくされていたのが、活発に動けるようになり、自分の健康に自信を持てるようになった父は、「家に引きこもってなどいられない」と言って再就職し、週に3日は仕事に出かける生活を始めたのです。

食生活改善がもたらした劇的な変身は、父だけのものではありませんでした。高血圧による一連のトラブルから父が解放されたとき、母の関節リウマチや前糖尿病もなくなってしまっていたのです。

首や手、腕などの痛みや不自由さから解放された母は、不自由なく帯を結び、和服のおしゃれを楽しみながら、お茶会や茶道教室での指導にますます熱を入れ始め、残りの人生を思いっきりエンジョイするようになりました。自治体が主催する体操教室にも、毎週はつらつとして通い始めました。

私の両親は食生活を変えることで、「健康上のさまざまなトラブルから解放される」ということを自らの体をもって経験したのです。

最新の統計によると、今日、日本人の女性は、平均して亡くなる前のおよそ12年余り、そして男性は9年近くの期間、健康上何らかの問題で日常生活が制約され、痛みや苦痛を緩和させる薬に依存したり、通院や入院が余儀なくされたり、介護が必要になる場合も少なくない、という不自由で低クオリティーの晩年を送っています。

この数字は、厚生労働省のデータが示す「平均寿命」から「健康寿命」を差し引くことではじき出されるもので、日常生活に制限のある「健康ではない期間」を意味するものです。

平均寿命とは「0歳における平均余命」のことで、2019(令和元)年の日本人の平均寿命は男性81.41歳、女性87.45歳でした。一方、健康寿命とは、「健康上の問題で日常生活が制限されることなく、健康で生活できる期間」のことで、2019年の場合、男性は72.68歳、女性は75.38歳でした。

したがって、日本人は「何らかの病気のために、日常生活に制約を受けながら暮らさざるを得ない期間が、男性で8.73年(81.41歳-72.68歳)、女性で12.07年(87.45歳-75.38歳)もあるのです。
(資料:https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/hale/h-01-002.html)

しかし、食生活を変えることによって、亡くなる直前まで、健康でハイクオリティーな人生を送ることが可能であることを、今日では膨大な量の研究が裏付けています。

誰もが亡くなる直前まで健康でハイクオリティーな人生を過ごしたいと願っているはずです。薬の副作用や病院通いの日課、あるいは機械に繋ぎ止められて病院のベッドで余生を過ごす生活、または病気のせいで体が不自由になり、介護なしには生きられない、などといった低クオリティーの人生を送りたいと願う人など、いないはずです。

私の母のように、「願わくは、眠っている間に亡くなるような死に方をしたい」と思っているはずです。

みなさん、今日から早速、食生活やライフスタイルを変えてみてはどうでしょう。食生活を変えるだけで、どんなメリットが手に入るか、詳しくは拙著『50代からの超健康革命』(グスコー出版)をご覧ください。

私の両親ができたのですから、どうかみなさんも本書掲載の「1週間レシピ」を参考に、健康で生涯苦痛や不自由さのない体に変身していただきたい、と願っています。

(文責:松田麻美子)