Hello from Mamiko Matsuda, Ph.D. in Houston Feb 2020
日本のみなさん、こんにちは。
新型コロナウイルスが世界中を震撼させています。WHO(世界保健機関)は公衆衛生上の緊急事態宣言を出し、アメリカやイギリスのように、中国への渡航禁止や中国に2週間以上滞在した人の入国を阻止するなどして、日本以上に厳しい措置をとっている国も少なくありません。
また、各国の公共衛生当局は、感染者との接触を避けること、石鹸で丁寧に手を洗うこと、手に触れるものすべてをアルコールなどで消毒すること、マスクをすることなどの注意を呼びかけています。
ウイルスの感染者数も死亡者数も日ごとに増加していき、すでにマスクはどこも売り切れ状態だと報じるニュースを見聞きするにつけ、人々の不安はますます募る一方のようです。しかし、「ナチュラル・ハイジーン」の理論を知っていれば恐れるに足りません。
「ナチュラル・ハイジーン」の健康理論の基本は、「体には自らを守る力が備わっており、その力が発揮できるようにしてやれば、体は常にベストの状態を保とうとしてくれる」というものです。
ウイルスやバクテリア(細菌)のような体にとって有害な物体が体内に侵入しようとすると、自らを守ろうとする体の免疫システムが、有害物排除のための努力をしてくれます。そのため、「ナチュハイ・ライフ」を実践し免疫力を最大限に保っている限り、凶悪なウイルスが蔓延していたとしても、そのウイルスの侵入を許すことはない、というのが「ナチュラル・ハイジーン」の教えです。
また、何らかの理由で体の防御線が侵入物によって突破され、ウィルスの侵入を許してしまったとしても、体内にはさらなる防御隊が構えていて、侵入物によって致命的なダメージが与えられないよう懸命に体を守ります。
発熱、咳、嘔吐、下痢など、一般に「病気」と思われているものは、体がその侵入物を排除するために懸命に戦っているというメッセージであり、「この症状こそが体の防衛力の中核をなすものだ」として、「ナチュラル・ハイジーン」の医師たちは、およそ200年にもわたり、この考え方を教え続けてきました。
つまり、病気の症状とは、もとの健康体に戻ろうとして体が自ら引き起こしている「治るための取り組み」なのです。この取り組みが邪魔されなければ、侵入物が早く処理され、症状が長引いたり致命的な病気へと悪化していくようなことにはなりません。
ところが西洋医学の考え方は、「猛威を振るうウイルスに対して体は無力である」というものです。こうして薬(抗ウイルス剤、解熱剤、吐き気止め、下痢止めなど)で体の取り組み(発熱、下痢など)を押さえ込んでしまいます。
「これは致命的なことだ」とシドニー(オーストラリア)のグレッグ・フィッツジェラルド博士は主張します。博士は「自然療法医、オステオパシー医、カイロプラクタ―」という3つの肩書を持ち、「ナチュラル・ハイジーン」理論に基づく医療を行なっている医師です。
なぜ致命的なのか。博士は自らが主宰するクリニック「Health for Life Center」(ヘルス・フォー・ライフ・センター)が発行しているニュースレター(1月31日号)で、その理由をわかりやすく解説していますので、許可を得て一部をご紹介します。
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熱を上げることは、体にとって猛烈にエネルギーを消費する。熱を出すためには、体内の複雑なプロセスを経なければならない。したがって、好き好んで熱を出すわけではなく、体は意図的に行なっているのである。
体は熱を出すことで白血球細胞を必要なところへ急行させたり、ウイルスの増殖源となる鉄の蓄えを隔離したりする。そして仕事がすむと、「クロイゲン」と呼ばれる化学物質(冷却剤)を放出して熱を下げる。人間の体には、なんとすばらしいサバイバル・メカニズムが備わっているのだろう!
吐き気、嘔吐、下痢なども同様のしくみだ。これらはすべて体の自己防衛・修復・自己制御のプロセスで、体を守り、体の恒常性を取り戻すために意図された 変化なのである。生命を守るためのものであり、生命に逆らうものではない。
私たちが危険な微生物にさらされたとき、体は代謝を活性化させるか低下させるかして体を守る。病気のときには、体温を上昇(発熱)させたり、体のエネルギーを低下(不活発に)させたり、消化力を低下(食欲不振に)させたり、呼吸数を増やすなど、自ら変化させる。これらは体を守るための手段であり、最適な健康状態を取り戻すために欠かせない変化なのである。
悲しいことに、現代医学の治療法は、体が発信しているメッセージに逆らうものである。発熱は薬で抑えられ、吐き気や下痢も薬で抑えられてしまうし、咳も止められる。そして体力をつけ体重を維持するという名目で高カロリーの肉や卵、精製加工食品などを食べるようすすめられるケースがほとんどだ。これでは病気になるのも当然だ。
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フィッツジェラルド博士によれば、インフルエンザで亡くなる人が、インフルエンザ以外の病気で亡くなる人と同じように増えているのは、体が自ら治ろうとして行なっている作業を抑えてしまうために、人々をもっと深刻な病気へと向かわせてしまうからだ、といいます。
西洋医療では、無数のバクテリアやウイルスが蔓延している世の中では人間の体は無防備で、私たちを救えるのは唯一「薬やハイテクを駆使した医療」だけだとしています。
しかしこれが真実ではないことは、「ナチュラル・ハイジーン」のパイオニアの医師たちが残してきた数多くの実績が裏付けています。19世紀半ばから20世紀半ば頃まで、ヨーロッパでもアメリカでも、コレラやペスト、赤痢、疫痢、天然痘などが大流行し、当時一般的な医師の治療を受けた多くの人たちが亡くなっていきましたが、薬を使わない「ナチュラル・ハイジーン」の医師たちのアドバイスに従った患者たちは皆、生き延びたのです。
「ナチュラル・ハイジーン」の医師たちが患者たちにすすめていたことは、水以外の
ものを口にするのはやめ、換気の行き届いた部屋で静かに体を横たえ、十分な休養をとることでした。
「医聖」と呼ばれ、今日でも医師たちの手本とされているヒポクラテスは、「病人に食べ物を与えると、症状を悪化させることになる。一方、食事を与えなければ病気は早く治る」主旨のことを述べていました。
食べ物をとると、消化にエネルギーをとられてしまうため、体のヒーリングプロセスが十分に行なわれなくなってしまいます。その結果、病気が長引いたり悪化したりするのです。前出のフィッツジェラルド博士も、次のように述べています。
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もし新型コロナウイルス患者が、食欲がないときに薬を飲まず、熱が完全に下がるまで「ウォーターオンリー・ファスティング」(※)をするよう指示されたならば、そして床に就いてゆっくり休み、新鮮な空気を取り入れ、静かに回復を待つようすすめられていたならば、この病気は歯のないトラのようなものである。唸り声をあげること(つまり不快感)はあるかもしれないが、噛みつくようなことはない。
(※)「ウォーターオンリー・ファスティング」についての詳細は、下記をご参照ください。
・私家版『ナチュラル・ハイジーン「Q&A」ブック③ 』4~6ページ
・私家版『ナチュラル・ハイジーン「Q&A」ブック② 』108~111ページ
・『50代からの超健康革命』86~90ページ
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新型コロナウイルスであろうとなかろうと、熱が出たり食欲がなかったときには、食事をするのを止めて、新鮮な空気が通う静かな部屋で、不快な症状が消えるまで十分休むことです。
新型コロナウイルスで亡くなる人は、かなりの高齢者か、何らかの病気を抱えている人、虚弱体質の人などに多く、そうした人は回復力に欠け、どのような病気でも死に至る可能性が高いです。
「体の正しい扱い方」について教える「ナチュラル・ハイジーン」の知恵を身に着け、実践すれば、新型コロナウイルスに接触してしまったとしても、感染するようなことにはなりません。
「ナチュラル・ハイジーン」の理論についてさらに詳しく知りたい方は、『常識破りの超健康革命』『50代からの超健康革命』(グスコー出版)をご覧ください。