Hello from Mamiko Matsuda,Ph.D.in Houston,Feb.2019
日本のみなさん、こんにちは。
みなさんは「ナチュラル･ハイジーン」について正しい知識をお持ちでしょうか。「ナチュラル･ハイジーン」のことを「ダイエット」、あるいは「ベジタリアンよりもっと厳しい食事法」「動物性食品の摂取を避ける宗教の一派」などと誤解されている人が少なくないようです。
「ナチュラル･ハイジーン」は「ダイエット」でも「宗教」でも、単なる「食事法」でもありません。それは「自然と調和した、一つの生き方（A Way of Life）」です。
「ハイジーン（Hygiene）」という言葉を著名な「ウェブスター大辞典」で引くと､まず最初に｢健康および健康維持のための科学。健康を保ち､病気を予防するための原則の理論｣と記されています｡一般的に理解されている｢衛生習慣、清潔さ｣といった意味が出てくるのはそのあとです｡
「ハイジーン」とは「健康を維持し、病気を予防するための原則の理論」のことで、その理論とは「体の内外を清潔に保つこと」であり、体の内外を清潔に保つには「自然と調和して生きること」、というのがナチュラル･ハイジーンの教えです。
自然界に暮らす動物たちを見てみると、「体にとって必要な要素」を本能的に知っていて、体の中を必須要素以外の有害物質で汚染させるようなことをせず、自らの天寿を全うしています。体内にたまる二酸化炭素を吐き出して、新鮮な空気を吸い、また喉が乾いたら水を飲むことも知っています。
「自分の体にとってふさわしい食べ物」についても本能的にわかっていて、その食べ物を体にとり入れています。肉食動物は植物界にあるものは直接食べません。一方、草食動物は動物を食べることはありません。お互いに、体にとってふさわしくない食べ物をとり込んで体の中を詰まらせるようなことはしていないのです。
彼らは、疲れたときには静かに体を横たえて休んでいますし、必要に応じて体を動かしたり日光に当たったりしています。これらの行動は生き物にとって必要不可欠な基本行動で、自然界の動物たちは「自然と調和して生きる」なかで、生命維持に必要な要素を本能に従って体に与えているのです。
「ナチュラル･ハイジーン」の教えとは、自然界の動物たちと同じように、「自然と調和したやり方」で体に必要な要素を与えれば、健康は維持され病気は予防できる、ということなのです。
19世紀の中頃までのヨーロッパやアメリカでは、衛生観念がなく、新鮮な空気や純粋な水が病人には与えられなかったため、コレラ、赤痢、チフス、天然痘などの流行病が蔓延し、多くの命が失われていました。
ナイチンゲール（1820～1910）が野戦病院の軍医たちに訴えたのは､病人には「清潔な環境（新鮮な空気や水､快適な衣類）、快適な温度､十分な休養､正しい排泄」を取り戻すことの必要性でした。多数の兵士の健康を回復させたのはこの時代です。この野戦病院にいた兵士たちの大半は傷病兵ではなく、コレラ、赤痢、チフスなどの流行病の患者だったといいます。兵士らに必要だったのは、「清潔な環境」や「十分な休養」でした。
こうした中、病気の正体を解明し､人体に対するケアを根本から変える方法を提唱する医師たちが欧米に現われてきたのです｡19世紀の初め、「ナチュラル・ハイジーン」の始まりでした。
彼らは､健康維持と病気の予防・改善の第一のモットーは、まず体の内外が清潔に保つことだと庶民に教えたのです｡こうしたことから、彼らの提唱する理論は｢ハイジーン｣と呼ばれることになりました。
しかし｢衛生習慣｣や｢清潔｣などにも｢ハイジーン｣という言葉が使われるため､「ナチュラル・ハイジーン」のパイオニアの医師たちは､自らの指導法を【ナチュラル・ハイジーン】と呼ぶようにしたのです。
それから170年余りもの間、「ナチュラル･ハイジーン」の健康理論は人々の間で受け継がれ、数え切れないほどの人を救ってきました。今日では欧米の最新科学が、ガン、心臓血管疾患、糖尿病、アルツハイマー病、自己免疫疾患（関節リウマチなど）ほか、あらゆる病気の予防・改善にこの健康理論が有効であることを裏付けているのです。
“私たち人類にとって「生命維持に不可欠な要素」とは、①新鮮な空気、②純粋な水、③体にとってふさわしい食べ物、④日光に当たること、⑤体を十分に動かすこと（運動）、⑥十分な休養と睡眠、⑦心の平静（ストレスマネージメント）が挙げられ、「健康の7大要素」と呼ばれています。くわしくは『50代からの超健康革命』（グスコー出版刊）に記しています。
「ナチュラル･ハイジーン」が単なるダイエット法や食事法でもなければ宗教でもないことがおわかりいただけたことと思います。
病気の症状がないだけでなく、エネルギーに満ちあふれ、はじけるようなスーパーヘルシーな体を手にする方法を教えてくれるのが「ナチュラル･ハイジーン」です。
「日本ナチュラル･ハイジーン普及協会」の下部組織、「超健康革命の会」では、会員のみなさんが「ナチュハイ･ライフ」を実生活にとり入れ、実行し続けていくうえでのサポートをさまざまな形で行なっています。くわしくはこのホームページの前回の「新着メッセージ」をご覧ください。
⇒https://natural-hygiene.org/lifestyle/news/201901
今年もまた、４月に来日して各地で講演会を行ないます。「ナチュラル･ハイジーン」を学ぶ良い機会になるはずです。４月５日には、東京で、「ナチュラル･ハイジーン」交流会が開催されます。これは私を囲んでの夕食会ですので、みなさんぜひいらしてください。くわしくは下記の【2019年 春の来日スケジュール】をご覧ください。
⇒https://natural-hygiene.org/lifestyle/info/201902sc/