Hello from Mamiko Matsuda, Ph.D. in Houston Nov 2021
日本のみなさん こんにちは。
コロナ感染者は減少傾向にあるとはいえ、またいつ次の激増の波が起こるかわかりません。それに備えるためにみなさんに必要なこととは──。
万が一感染してしまったら、3日間の「ウォーターオンリー・ファスティング」とビ タミンDや亜鉛、ケルセチン、グルタチオンなどのサプリメントを摂取することです。そうすれば熱はたいてい1~3日で下がります(このことは先月の新着メッセー ジにも記しました)。
ウォーターオンリー・ファスティングは、「具合が悪いときは食事をしない」という 「ナチュラル・ハイジーン」のパイオニアの医師たちが、180年あまりもの長い間教 えてきた健康理論の一つです。もちろん、十分な睡眠をとること、日光に当たること も大切です。そうすれば、体に備わっている「内なる医師」がヒーリング作業を引き受けてくれます。
このナチュラル・ハイジーンの教えをコロナウイルス感染の際に実行した方がい て、後日送ってくださった体験記がとても印象的でしたので、ご本人のご了解を得て みなさんにご紹介したいと思います。
体験記を書かれたのは、静岡県在住の文子さん(45歳、仮称)。息子さんの祐君 (8歳、仮称)とお母さま(75歳)との3人暮らしで、文子さんのご家族と近所に 住む健さん(48歳、仮称)の体験が記されています。
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【7月27日】
健さんが夕食時に遊びに来た。私と祐君と母は食事をしながら、健さんは自分で持 ってきた飲み物を飲みながら、マスクはせずに大きな声で笑い、話をした。健さんと 私は1メートル幅のテーブルをはさんで真正面で向かい合わせに座っていて、祐君は 健さんの斜め前、母は2メートルほど離れたところに座っていた。健さんは30分ほ どして帰っていった。
【7月30日】
私と祐君は夕方からほぼ同時に熱が上がり、39℃を超える。早速ウォーターオン リー・ファスティングを開始。ゆっくり休養。夜、健さんから「コロナウイルスに感染 した(PCR検査、抗原検査で陽性)」と連絡がある。この時、健さんは無症状で、 検査をしたのは、仕事で会っていた人が感染した、と連絡してきたためだという。
【7月31日】
この日、私と祐君は一日中、ウォーターオンリー・ファスティング。昼過ぎに熱が平 熱まで下がる。健さんは相変わらず症状はないという。
【8月1日】
私と祐君は家でのんびり過ごす。昼でウォーターオンリー・ファスティングを終了 し、午後は果物やジュースをとる。健さんはこの日から39℃以上の熱が8月8日ま で続き、8月10日に平熱に戻ったという。健さんには熱が出た時点で、ウォーター オンリー・ファスティングとそれに続く、ジュース・ダイエットのことを伝えた。健さ んは体が苦痛で何も食べられないにもかかわらず、保健所からのアドバイスで薬だけ は飲んでいたという。
【8月2日】
私と祐君の体力はほぼ回復。終日果物や野菜ジュースで過ごす。この日の朝、祐君 が「においがしない」と言い出し、私も同じく鼻がきかないことに気づく。この時点 で、これはコロナウイルス感染症だと確信。その後、祐君の嗅覚は5日ほどで回復、 私のほうは1か月半ほどで完全に戻る。また、このあと数日後、私の生理の始まり方 がいつもと違い、突然多めの出血。その後は正常で、翌月以降も特に問題なし。
8月3日から私と祐君は通常通りの生活。翌8月4日頃から、一人暮らしの健さん のところへ、スイカを中心に果物やジュース、ビタミンDなどを毎日届ける。
【8月上旬~9月中旬】
母が何を食べてもおいしくないと訴え、食欲がなくなる。熱は 37℃が半日あったの み。味覚や臭覚は失われていないので、コロナに感染したとは考えにくい。ただ、寝 たきりになり、昼夜逆転などに苦しむ。ビタミンDやB12、亜鉛のサプリメントを とる。本人の意向で、ウォーターオンリー・ファスティングではなく、果物と野菜ジュ ースで過ごす。そして回復後は、以前よりもずっと元気になる。
【9月末】
健さんはいまだににおいを感じないという。少し前から、やっと膝の曲げ伸ばしが スムーズにできるようになってきたそう。8月1日の発熱以来3日間ウォーターオン リー・ファスティングをし、それに続いて果物、野菜中心の食事をしていたこともあっ て、回復後は体が軽く、頭の働きもクリアで、とても気持ちがいいと言っている。
健さんは仕事で出張や会食が多く、7月27日にうちへ遊びに来た直前も、北海道 や東京に行っていたという。私と祐君の体内に、コロナウイルスが侵入してきてしま ったのは、ウイルスにさらされる量がとても多かったためではないかと感じた。また、その時期ちょうど、毎日朝4時頃から長距離のジョギングをしたり、少し睡眠不足だったりしたことがあり、体力が低下していたのだと思う。
マイケル・グレガー博士の『食事のせいで死なないために〔病気別編〕』(NHK出 版)に、「急激な激しい運動は免疫力を低下させる」ことが書かれていたため(181ページ)、そのことも一因となっていたのでは、と今は感じている。
このようなときに、松田先生からいつも教えていただいているウォーターオンリー・ ファスティングやジュース・ダイエットを迷いなく実践できたことは、とても有意義だったと思う。感染症にかかったことに対しても、恐怖や不安などは全くなかった。
また、8月3日から私と祐君は通常通りの生活をしていたが、周囲の人にウイルス を移すこともなかったように思う。それから、母は、私たちが回復した後に37℃の 熱が出て、脳梗塞の後遺症回復のためのリハビリをお休みした日から、「食べ物がお いしくない」と訴えていたが、それはコロナ感染のためとは思えない。
母の場合、約1年前からナチュラル・ハイジーンを始めていて、ちょうど今年の7月 下旬に、だんだん減らしていた薬(降圧剤とコレステロール)を断薬したことによる 好転反応や、7月下旬に歯を抜いたことなどが重なって、体調を壊したのではなかっ たかと思われる。母は寝込んでしまい、そのことで筋力が低下し、座っていることも 大変だったのだが、頑張ってリハビリをし、今では以前よりも元気になっている。
あらためて、私はとてもすばらしい経験をしたと感じている。今まで以上にナチュ ラル・ハイジーンのライフスタイルに誇りを持って生活していきたいと思う。
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文子さんや祐君は、感染してもウォーターオンリー・ファスティング開始から20時間ほどで熱は平熱になり、3日後には体力も回復できたのは、日頃からナチュハイ ライフを実践しているおかげでしょう。
また、ご友人の健さんも、39℃の高熱が1週間余り続きながら、重症化せずにすんだのは、ウォーターオンリー・ファスティングとそれに続くジュースダイエットのお かげといえるでしょう。
これをお読みのみなさんの中に、文子さんも祐君も長年「ナチュハイ・ライフを続け ているのになぜ感染したのか?」「ナチュハイ・ライフの実践者は感染しないのではないのか?」という疑問を抱かれた方、あるいは、「児童の感染率は、おそらく1%以下と想定されるので、祐君のようにナチュハイ実践者は普通の児童より感染しやすい」と思われた方もいらっしゃるかと思います。
まず、たとえヘルシーな食事やライフスタイルをしている人であっても、睡眠不足やオーバーワーク、精神的なストレスなどが重なって、体力が普段より低下しているところへコロナウイルスにもろにさらされると、体はウイルスをシャットアウトすることができず、体内への侵入を許してしまうことがあります。
とはいえ、ハイジニスト(ナチュハイ・ライフ実践者)は、文子さんや祐君同様、感染しても症状は非常に軽いです。全米で最も人気のあるホームドクターとして知られるジョエル・ファーマン博士は10代の頃からのハイジニストで、ナチュラル・ハイジーン理論に基づいて治療を行な っている医師ですが、先月やはり感染しています。ただし、いつもよりエネルギーレベルが低くなり、微熱が出た程度で、2日ほどで全快したといいます。
ハイジニストの場合、たとえ皮膚表面、あるいは呼吸器官や消化器官を覆う粘膜などの表面にある免疫システムの第一線で活躍する第一の防衛機能がウイルスをシャットアウトできず、体内に侵入させてしまったとしても、すかさず第二の防衛機能が作動し、ウイルスの排除作業を開始します。すぐにナチュラルキラー細胞などの免疫細胞を感染部位に急行させて処理にかかるのです。
この時「発熱」という症状が現われますが、これは免疫細胞の働きを高める目的で、体が意図的に体温を上昇させているからです。つまり、「発熱は体がウイルスと闘っている」というサインであって、決して困ったことではありません。そしてハイジニストの場合、文子さんと祐君、ファーマン博士がそうだったように、免疫機能が活発なので、ウイルス処理はきわめて短期間のうちに終わり、熱はすぐ下がります。
一方、一般的な食事をしている人の場合、健さんのように、検査で陽性と診断されても、すぐに症状が出ないことが少なくありません。ハイジニストに比べ異物の処理能力(免疫機能)が低いため、体温を上昇させて免疫細胞の活動を活発にさせるまでに、しばらく時間を要してしまうのです。
その間にウイルスが細胞の増殖機能をハイジャックして増殖を開始するため、免疫細胞のウイルス処理を大変にさせてしまいます。そのため健さんのように何日も熱が下がらない、という状況に追い込まれます。体は体温を上昇し続け、免疫細胞の活動を活発にさせているわけですが、そのことを知らないために熱を下げようとして解熱剤を使うと、体の免疫細胞の働きを妨げることになります。その結果、ウイルス処理が進まず、症状が長引くことになるのです。
体に任せておけば、熱が体にダメージを与えるほどひどくなるようなことはありません。体はどこまで熱を上げるべきか心得ているからです。そしてウイルス処理が終われば熱は自然に下がります。熱によるトラブルは解熱剤などを使用した結果生じるものです。
次に、「児童の場合、ナチュハイ実践者のほうが感染しやすい」という見方は正しくありません。子供の感染率は、成人と比較して少ないことは確かですが、2019年12月30日から2021年9月6日までにWHOに報告された9万人余りを対象にした年齢別の症例データに基づく感染率は、8歳の祐君を含めて5~14歳では5歳未満の1.8%よりは多く、6.2%、15~24歳では14.3%です。つまり、祐君の年代では100人に6人は感染するわけで、祐君の場合は、運悪くそのうちの一人だったといえるでしょう。
祐君の場合、その当時、毎朝午前4時からの長距離マラソンを続けていて体が疲れていたところへ、無症状性とはいえ陽性になっていた健さんから、直接飛沫、あるいは接触によって、さらに健さんが去ったあとも空気中に残っていたウイルスを吸入してしまったことから感染した可能性が高いので、このような状況下では、ハイジニストであろうとなかろうと、感染は免れなかったことでしょう。
しかし、感染してもハイジニストのウイルス処理能力は抜群なので、すぐに体温を上昇させて(発熱)免疫細胞の働きを活発にし、ウイルスを排除するので、感染してもめざましいスピードで回復します。祐君の場合、1日足らずで熱は下がっています。ですから感染すること自体は問題ではありません。いかに早くウイルスを処理できるか、という点で、ハイジニストは抜群の能力(免疫力)を発揮できるのです。
なお、文子さん一家はPCR検査や抗原検査を受けていないので、「果たして100%本当に陽性だったのか」と疑問視される方もいらっしゃるかと思います。確かに検査はしていず、文子さんと祐君は、発熱、そして臭覚障害を経験したことから、コロナに感染したと判断したにすぎません。
ただし、欧州の研究では軽症から中等症の人の85.6%(注1)、カリフォルニア大学の研究では、陽性の人の68%が嗅覚障害を経験しており、この研究の多変量解析の結果によれば、嗅覚障害・味覚障害を有する場合は、ほかの原因を有する場合よりコロナ感染の可能性が10倍以上高かったと報告していますので(注2)、文子さん親子はコロナ感染したことは間違いないと私は思います。
(注1)https://link.springer.com/article/10.1007/s00405-020-05965-1
(注2)https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1002/alr.22579
さらに文子さんは突然多めの生理出血を経験していることも、コロナ感染を確かなものにしています。新型コロナウイルスの特徴であるスパイクタンパクは生殖器官にダメージを与えることが明らかにされているからです。
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「プラントベースでホールフードの食事」「十分な睡眠と運動」「日光に当たるこ と」といったナチュラル・ハイジーン理論の基本を日頃から実践している人は、たとえ 感染したとしても、症状は非常に軽いということと、感染したらすぐウォーターオン リー・ファスティングを開始することを覚えておいてください。
なお、ウォーターオンリー・ファスティング終了後は、すぐに普通の食事に戻るので はなく、文子さんの体験記にもあるように、体調が元どおりに戻るまでは、ジュース・ ダイエットや果物中心の食事がおすすめです。「ナチュラル・ハイジーン」の基本理論 については『50代からの超健康革命』(グスコー出版)に詳しく記しています。
(文責:松田麻美子)