2021年7月のメッセージ

Hello from Mamiko Matsuda, Ph.D. in Houston July 2021

日本のみなさん、こんにちは。

「予防接種は、我々の時代の野蛮な習慣であり、破壊的、かつ妄想的な行為だ」

これは私がこの原稿を書いている今日、我が家の冷蔵庫の扉にかかっている日めくり万年カレンダーの『超健康革命・名言の教え 2』の23日に記されているマハトマ・ガンジーの言葉です。

コロナ禍に対処するために、全国各地でワクチン接種が行なわれている今、ぜひこのガンジーの言葉をみなさんに考えていただきたいと思います。

最近のテレビニュースでは、ワクチンを接種した人々の「これで安心しました」「1年あまりも会えなかった孫たちに会えます」「安心して旅行できます」「配偶者に持病があるのでケアするにはワクチンが不可欠」といったコメントが紹介されています。

みなさんは、「予防接種をすることで、<病気>から免れる『免疫』を手にすることができる」とお考えですか?

私はそうは思いません。というのは、「免疫は健康的な食習慣やライフスタイルを実践することによって、体で作られるものであり、ワクチン(あるいはmRNAのような<ワクチン>と称するもの)を外から摂取することで獲得できるものではない」ということを私は学んできたからです。

これはナチュラル・ハイジーンの最も基本的な原則の一つです。「私たちは常に数多くの細菌やウイルスに囲まれており、いわば、常にこれらの攻撃を受けているとも言えますが、これらの攻撃に対処するためには、健康的な生活を送ることで作られる免疫こそが、最も優れた永続的な免疫である」というのが、私が30年余りにわたって学んできた「ナチュラル・ハイジーン」の基本的な教えです。

先月のメッセージでも記しましたが、ホモサピエンスとしての人間の体にとってふさわしい健康的な食習慣やライフスタイルを実践していれば、周囲にさまざまな細菌やウイルスがどんなに蔓延していようとも、私たちはそれらの有害物質に感染しない、すばらしく強力な「免疫力」を備えていることができます。

しかし、体にとって不適切な食習慣やライフスタイルを実践していて、さまざまな病気やウイルスの攻撃から体を守る「免疫力」を手にすることはできません。なぜならば、体を健康に維持し、病気を予防するには、特定の要素を体に与える必要があり、その要素を与えず、その要素以外のものをとり込む食習慣やライフスタイルを実践していたのでは、「真の健康」を維持することはできないからです。

「真の健康」とは、ただ不快な症状や苦痛などの症状がないというだけでなく、常にエネルギーに満ちあふれ、疲れ知らずで、心身ともに満ち足りている状態を言います。

そしてこのことが真実であることは、この10年ほどの間に明らかにされてきた、「腸内細菌叢」に関する数々の研究が裏付けています。今日では、食物繊維が多く、脂肪、特に飽和脂肪が少ない「プラントベースでホールフード重視の食生活」をしている人ほど、腸内細菌叢が健康になることがわかっています。これらは体にとってふさわしい食事だからです。

そして腸内細菌叢の健康は、免疫系の健康に直結しています。腸内細菌叢が健康であれば、善玉菌が優勢となり、「短鎖脂肪酸(SCFA)」を豊富に作り出すことができます。

「短鎖脂肪酸」とは、ブチラート(酪酸)・プロピオン酸・酢酸などで、腸内細菌叢のバランス維持、悪玉菌の増殖&活動抑制、腸粘膜の健全性維持、免疫細胞の活性化ほか、健康維持にきわめて重要な働きをしています。「免疫組織の70%は腸にある」といわれる所以はここにあります。

一方、動物性食品や精製加工食品のように、飽和脂肪が多く、食物繊維が少ない食事をしていると、悪玉菌が優勢となり、大腸の保護膜を維持する腸壁の緻密性が失われます。

細胞と細胞の間に隙間ができ、私たちが血流から排除したい病原体(ウイルス、有害細菌)や毒素(排泄されずにため込まれた代謝副産物)が大腸から漏れ出し、血流に侵入してきます。これが「リーキーガット」と呼ばれる現象です。

病原体や毒素が大腸の保護膜から血流に漏れ出すと、体内で危険信号が発信され、免疫系が反応します。つまり、動物性食品や精製加工食品を常用していると、リーキーガットを助長し、免疫系を過剰に反応させてしまうことになるのです。免疫細胞が過剰に反応すると、免疫機能のバランスが崩壊し、免疫力が低下してしまいます。

一方、私たちが正しい食習慣を選択すれば免疫系の過剰反応を防ぎ、代わりに体内に侵入してきた病原体と戦うことができる強固な免疫反応を構築することができるのです。そして、体内に入ってきた病原体と、より強く、より効果的に戦うことができます。

ここまでお読みになったみなさんのなかには、「でも食習慣とは関係なく、予防接種によって、ウイルスを撃退する抗体ができるので、新型コロナウイルスへの感染は防げるのではないか」「だからどんな食事をしていようとワクチンを打てば、このウイルスに対する免疫ができるのではないのか」と思われた方もいらっしゃるかと思います。

確かにワクチンによって抗体がつくられ、ウイルスが体内でトラブルを引き起こす不快な症状はなくなるか、あるいは軽減されるかもしれません。しかし、このワクチンは、新型コロナウイルスに対しては<ある程度>有効かもしれませんが、どのウイルスに対しても万能に働くわけではありません。この点では、体にとってふさわしい食習慣やライフスタイルの実践によって得られる広範にわたる「免疫」とは大きな違いです。

「それでもワクチンを打てば感染は免れるか、あるいは症状が軽減できるのであれば、それでよいのではないか」という人に考えていただきたいことが二つあります。

一つは、食生活が誤っていると、たとえワクチンによって抗体がつくられても、その免疫力は、正しい食生活によって得られるものに比べ低下していること、そしてもう一つ、「誤った食習慣によってもたらされる<リーキーガット>や<免疫機能の低下>を、ワクチン接種によって帳消しにすることはできない」ということです。

<リーキーガット>の問題は、免疫システムの機能を低下させてしまうため、ウイルス感染のトラブルを引き起こすばかりか、免疫系の過剰反応が花粉症やアトピー、喘息などのアレルギー、関節リウマチやMS(多発性硬化症)、全身性エリテマトーデス(全身性紅斑性狼瘡)などの自己免疫疾患、ガンなどのリスクを高めていくことになります。

さらに動物性食品や精製加工食品を常用する食習慣そのものが、炎症を助長し、ガン、心臓病、糖尿病、腎臓疾患、アルツハイマー病などと密接に関連しています。そしてこれらのトラブルは、ワクチンを接種することによって防ぐことはできないのです。ですからワクチンを摂取しても、誤った食習慣がもたらすトラブルを帳消しにする「魔法のような免疫力」を手にすることはできません。

そればかりか、ワクチンには先月のメッセージでも記しましたように、さまざまな好ましくない副反応のリスクもあります。最近では、ワクチンが体内で作らせるスパイクタンパクが、血管の内皮細胞にダメージを与え、血栓が形成されるリスクがあること、さらには、生殖器官にもダメージを与え、月経異常や流産のリスクがあること、女性の卵巣に蓄積されることなどの見解がますます強固なものになってきています。

ナチュラル・ハイジーンのパイオニアの医師の一人、ジョン・ティルデン博士が、次のように述べています。

「人間によって開発された治療法は、すべて本人に跳ね返ってきて、害を与える」

これも冒頭でご紹介した日めくりカレンダーに記されている『超健康革命・名言の教え 2』の一つです。

この日めくりカレンダーには、時代を超えて人々に正しい健康法のヒントを与えてくれる著名人の名言が31種収録されています。毎日カレンダーをめくるたびに、新しい気付きが与えられますので、みなさんのお宅でもぜひご利用ください。<https://gsco-publishing.jp/books/h-calendar2/>

(文責:松田麻美子)