2020年11月のメッセージ

Hello from Mamiko Matsuda, Ph.D. in Houston Nov 2020

日本のみなさん、こんにちは。

2020年10月12日と19日に放送されたNHK総合テレビ『NHK NEWSおはよう日本』の番組の中で、「習慣にしよう! 免疫力UP術」と題し、「腸に関するアイデア情報」が紹介されていました。

*「腸の働きをよくする」(12日放送)<http://matikad.blog.fc2.com/blog-entry-3384.html?all>

*「腸が喜ぶおすすめ食事術」(19日放送)<http://matikad.blog.fc2.com/blog-entry-3397.html>

 

ご覧になった方もいらっしゃるかと思いますが、番組には『病気知らずの医者がやっている 免疫力を高める最高の方法』(宝島社)の著者、順天堂大学教授の小林弘幸医師が登場し、免疫力アップの方法がいくつか紹介されていました。

(NHKのホームページより)

世界各地で新型コロナウイルス感染者が再び増加し始めている時期だけに、タイムリーな企画でしたが、残念ながら肝心なことには触れられていない印象を受けました。

確かに番組でも紹介していたように、免疫細胞の70%は腸にありますから、腸の働きをよくすることはとても重要で、味噌のような発酵食品から乳酸菌をとり入れ、腸内の善玉菌を増やし、そのエサとして食物繊維を与える必要があることは言うまでもありません。

しかし番組で紹介していたような「野菜や海藻の入ったお味噌汁」を習慣にする程度では、腸内の細菌叢(さいきんそう/細菌・菌類・古細菌など)を養い善玉菌を増やし、免疫力をアップする効果はわずかでしかありません。

私たちの腸内には39兆個もの細菌叢が存在しています。種類も300~1000種に上り、これらの細菌叢は免疫系ばかりか、腸の完全性・全身の健康状態・体重・ガンリスク・神経系・ホルモン系(インスリン抵抗を含む)・脳機能・炎症ほか、体のすべての器官や機能に関与しています。

ですから、食物繊維をしっかりとって腸内細菌叢を養い、そのバランスを正しく保つことが、免疫系ほか、全身の器官や機能を正しく保つカギとなります。ひとたびバランスが崩れると、免疫力低下など、さまざまな体の不調が現われてきます。

腸内細菌叢のバランスが保たれていれば、腸は自然に動き、排泄もきちんと行なわれ、腸内環境も免疫系も、そして全身のすべての器官や機能がベストの状態に保たれるようになります。

ところが、現代人(成人)の食物繊維の摂取量は、日本でもアメリカでも1日平均15グラムほどしかありません。厚生労働省は摂取目標を、成人男性が21グラム以上(65歳以上は20グラム以上)、女性が18グラム以上(65歳以上は17グラム以上)としています(「日本人の食事摂取基準」2020年度版)。

腸内細菌叢のバランスをヘルシーに保つためには、これでは十分とは言えません。旧石器時代の人々は70~150グラムもとっていたのです。それから考えても、最低40~60グラムは必要です。

バラエティーに富んだ色とりどりの野菜(特に緑葉野菜)や果物を中心に、さまざまな豆類、全穀物などで構成された「ナチュラル・ハイジーンの食事プログラム」に従えば、1日60~80グラムの食物繊維を容易にとることができます。

そうすれば、腸内細菌叢の多様な能力が増し、細菌叢のバランスを健全に保てることによって、免疫系の働きを最大限にアップさせることができるのです。

食物繊維は「プラントベース(植物性)のホールフード(未精製・未加工食品)」にしか含まれていません。動物性食品や精製加工食品には含まれていないのです。

最近では「炭水化物(糖質)は肥満や糖尿病の元凶」として、穀物や豆類を極力避け、カロリーを動物性のタンパク質や脂肪(肉、魚、卵、チーズなどの乳類、油脂類など)から摂取している人が少なくありません。

しかし、上記食品から摂取できる食物繊維の量は「ゼロ」です。これでは腸の働きを活発に保つことはできず、免疫力アップにはつながりません。

さらに動物性食品には、ウイルスなどの活動を活発にさせ、抗体の産生能力を低下させてしまう物質が含まれています。一方、「プラントベースの食事」は、抗体の産生を増やしてウイルスを不活性化してくれます(参考:T・コリン・キャンベル著『チャイナ・スタディー』グスコー出版)。

「プラントベースの食事」は、新型コロナはもちろん、毎年冬に大流行するインフルエンザ対策の切り札となるのです。

「ナチュラル・ハイジーン」では、今からおよそ180年前から、こうした食生活をすすめていますが、なぜ「プラントベースでホールフードの食事」なのか──。

・植物性食品は動物製食品よりもすぐれているから。

・丸ごとのホールフードは、精製・加工されているものよりもすぐれているから。

・生のものは加熱したものよりもすぐれているから。

端的にいえば、食品工場からではなく果樹園や畑から来たものを食べること。これが「ナチュラル・ハイジーンの食事」の基本的な考えです。

免疫系の機能を健全に保つには、食事以外の要素も重視する必要があります。十分な運動や睡眠、日光に当たること、ストレスマネージメント、新鮮な空気、純粋な水といった「健康の7大要素」です(参考:拙書『50代からの超健康革命』グスコー出版)。

健康情報をテレビや新聞などの大マスコミに頼っていたのでは、「真の健康」を手にすることはむずかしいでしょう。「真の健康」を手にしたいのであれば、世界的権威の文献が裏付けている情報を知ることです。

私が主宰していた「超健康革命の会」が2002年5月以来発行してきた「会報(ニュースレター)」では、日本のマスコミが伝えてこなかった「真の健康情報」をお伝えするとともに、「ナチュラル・ハイジーン」が与えてくれる、めざましい健康効果について記してきました。

 

「ナチュラル・ハイジーン」の健康理論を基礎から学びたいという人にとって、この「会報」は理想的なテキストとなります。ご興味がおありの方は詳細をご覧ください。
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