2019年11月のメッセージ

Hello from Mamiko Matsuda, Ph.D. in Houston Nov. 2019

 日本のみなさん、こんにちは。

去る10月半ばから11月初旬まで日本に滞在し、北海道から沖縄に至る日本各地で講演会やワークショップなどを行ないました。

 ワークショップは「ライフスタイル・レボルーション・アカデミー」が主宰する「ナチュラル・ハイジーン・エバンジェリスト養成コース」(※)の受講者、並びに修了者を対象に、毎年春と秋の来日時に開催されているものです。

(※) http://lr-academy.natshell.jp/courses.html

 講演は6会場で開催されましたが、札幌、大阪、広島の講演会では、『ナチュラル・ハイジーンの智恵──「プラントベースでホールフードの食事」で薬いらずの健康長寿』と題してお話しいたしました。

大阪での講演会にて。

 主催された(株)ジェリコ・コンサルティングの代表・荒川圭基(たまき)さんは、3年ほど前に「ナチュラル・ハイジーン」に出逢って命拾いしたことから、その後、「ナチュラル・ハイジーン」の普及啓蒙活動に情熱をこめて取り組んでいます。

 荒川さんは4年前に突然脳梗塞で倒れ、それからの1年というもの、後遺症治療のための薬の副作用で苦しみ続けたそうです。そうしたときに書店で手にとったのが『フィット・フォー・ライフ』(グスコー出版)で、それが「ナチュラル・ハイジーン」との出逢いになりました。

 詳細は荒川さん自身が10月に出版された『食の歴史と病気 そして未来』(※)に記されていますので、ご一読をおすすめします。

(※)http://www.sunrise-pub.co.jp/isbn978-4-88325-669-3/

『食の歴史と病気 そして未来』
(荒川たまき著、サンライズ出版)

 東京での講演は、(株)Natshell主催の『Health Care is Self-Care/自分でつくる自分のからだ』シリーズの第2回で、『自然と調和したライフスタイル「ナチュラル・ハイジーン」──その先にある「真の健康」』がテーマでした。

 甲府での講演は、毎年春と秋に開催されている「山梨フルモニ・クラブ」主催の健康講座の一環で、今回のテーマは『フルーツモーニング──「フルモニ生活」で健康に!』でした。
講演の最後は沖縄で開催され、テーマは、札幌、大阪、広島と同じものでした。

大阪講演に参加されたみなさんと。手前、向かって左側で腰かけているのが荒川さん。

 ここで10月19日に開催されたワークショップに参加された医師の方の発言をご紹介します。

 医者を10年もやっていれば薬には治す力がないことぐらい誰でもわかるはずで、それでも変わらずに薬の処方を続けているのは、処方しなければ医療保険から診療報酬を受けられないからです。

 こう話されたのは、愛知県稲沢市で開業されている「リーフウォーク稲沢クリニック(眼科、漢方内科、漢方眼科、アレルギー科)」院長、新井晶勇己(まさゆき)先生です。

 新井先生の忌憚のない厳しいご意見は、「病人を治す」という神聖な職業に従事しているものの、医療もビジネスなので効果のない薬の処方もやむを得ない、という現状に一石を投じるものです。

 有言実行、新井先生は従来の方法を改め、「薬を処方せずに病状を改善させる」という道を選択します。転機となったのは、40代初めに自ら糖尿病と関節リウマチに悩まされ、薬の治療では効果がないことを思い知ったことでした。さまざまな代替医療を探していたとき「ナチュラル・ハイジーン」と出逢います。

 早速「ナチュラル・ハイジーン」に基づくライフスタイルに変えたところ、糖尿病も関節リウマチも見事に克服できたことから、「これこそ本物の医療だ」と痛感したそうです。

 それ以来、患者さんに対しても薬の処方をやめ、自由診療に切り替えて、患者さんの「食習慣やライフスタイルを見直す指導」を主軸に治療するようになったそうです。

 アメリカでは『チャイナ・スタディー』(グスコー出版)を読んだり、DVD『フォークス・オ―バー・ナイブズ』(日本コロムビア)を見た医師たちが、「プラントベースでホールフードの食事」に変えたことで、自らの糖尿病や心臓病、自己免疫疾患などを克服できたことから、患者さんたちに対しても薬の処方ではなく、徹底した食習慣の指導を行なって大きな成果をあげている、という実例が近年急増しています。

 その原因として、アメリカには日本のような国民皆保険制度がなく自由診療を行なっている医師が少なくないこと、『チャイナ・スタディー』や『フォークス・オ―バー・ナイブズ』の大ヒット以来、保険に加入するよりお金のかからない方法で病気の予防・改善を心がける人が、ますます増えてきたことなどが考えられます。

 一方、日本では医療といえば相変わらず薬の処方と手術が主流で、「食習慣やライフスタイルの改善指導」を治療の最重要選択肢としている医者は稀にしかいません。
前出の新井先生が指摘していたように、医師の大半は薬を処方し手術を行ない、医療保険から医療報酬を得ています。

 「病気は、食習慣やライフスタイルの誤りの結果である」ことを、声を大にして訴える医師がほとんど見当たらないからでしょう、患者の側も、病気は自分の食生活とは無関係で、薬や手術によって治療されるべきものである、という考え方に捉われ続けています。

 新井先生のように、薬や手術による医療よりも、体にとってふさわしい食習慣やライフスタイルをとり入れる指導のほうがずっと病気の予防・改善効果が高まることを知った医師のみなさんが、力を合わせて日本の医療現場を変えていってほしい、と願ってやみません。