<「自然の法則」に基づいた生命科学の理論>
「ハイジーン(Hygiene)」という単語を英和辞典で引くと、「衛生」「清潔を保つこと」「摂生」などと訳されていますが、ウェブスター英英辞典には、こうした意味よりも先に「健康および健康維持のための科学。健康を保ち、病気を予防するための原則の理論」と記されています。
「Hygiene」の語源はギリシャ語の「Hygeia」(ハイジーア。ギリシャ神話の「健康の女神」)から来ています。
ナチュラル・ハイジーンのパイオニアの医師たちは、当時の人々が全く無頓着だった公衆衛生や体を清潔に保つことの重要性を説き、体内環境を清潔に保ち、心身ともに汚れなく清らかであるときにこそ健康が維持されると教え、「健康」「活力」「強さ」「前向きな姿勢」を表現するものとして、「ハイジーン」という言葉を使っていました。
しかし、西洋医学のヘルス・アプローチでも「清潔」や「衛生」を重視するようになり、これを「ハイジーン」と称するようになりました。やがて本来の「ハイジーン」の意味合いが薄れてきたため、20世紀に入ってから、「Natural」という言葉をつけて「ナチュラル・ハイジーン」と呼ぶことにし、西洋医学で用いられている「清潔」「衛生」といったこととは区別するようになりました。
「ハイジーン」で総称される「健康」「活力」「強さ」「前向きな姿勢」は、自然と調和したライフスタイルを重視したことによって得られる、というのがナチュラル・ハイジーンのパイオニアたちが説いてきた教えだからです。
<ナチュラル・ハイジーンの歩み>
ナチュラル・ハイジーンは、1830年代、薬や手術を主流とする西洋医学に対し疑問を抱くアメリカの医師らによって、学問的にしっかり体系づけられた健康理論であり、科学の一分野です。
ナチュラル・ハイジーン理論のルーツは、医聖と言われたヒポクラテスやピタゴラス、アルキメデスといった古代ギリシャの医師や哲学者たちまでさかのぼります。彼らが「健康維持や病気改善の秘訣は、自然と調和して生きることである」と弟子たちに教えていたのです。
20世紀に活躍したジョン・ティルデン医学博士やハーバート・M・シェルトン自然療法学博士は、ナチュラル・ハイジーンのパイオニアの医師たちが残した理論を患者たちの治療に生かして多くの人々を救い、その経験を多くの書物に著わしています。
そして、ナチュラル・ハイジーンが世界中に広く知られるようになったきっかけは、なんと言っても、この理論を一般の人に最もわかりやすい方法で解説した書籍『 FIT FOR LIFE 』(邦訳『フィット・フォー・ライフ』グスコー出版刊)の登場によるものでした。